と誰かが思うところから作品選びが始まる。
誰がそう思うかで、道は異なる。
俳優なら作品より先に仲間を集めるかもしれない。
プロデューサーなら先に主演俳優をハントするかもしれない。
演出家を確保するかもしれない。
作家にあてがあるかもしれない。
いずれにせよ、WHEN,WHERE,WHO,WHAT,いつ、どこで、誰が、何を、を決めて初めて作品づくりはGOになる。
私の場合、演出を引き受けるからには時期WHENはクリアしている。
で、私は空間に触発されるので、上演場所WHEREをまず決める。
例えば私が劇団昴にいた頃、今は無き三百人劇場での公演を請け負ったとすると、その劇場を客席から舞台、舞台袖、とくまなく歩いてみる。
俳優の気持ちになり、観客の目線になり、自分の作ろうとしている作品の規模と予算も念頭に置きながら。
三百人劇場は、奥行きはないが間口は広かった。
袖が狭いので大掛りな引き出し装置は無理だがタッパ(天井)が高いので吊りものはOK。
ここでなら、こんな作品が面白そう、という漠然としたイメージができあがる。
劇場だけでなく、劇団の作品だから、劇団を支えてきた理念と、それについてきた観客の期待もある。
それを落胆させずに尚且新しい客層にアピールできる戯曲は?
加えて、当時の劇団での私の使命は「海外の新作を探せ」
ネットで劇評をチェックして、自分の想像力を刺激するものが網にかかったら、芝居の規模や出演人数、昴の俳優なら誰を起用したいか等の、あたりをつける。
それから、自分の前作との差別化や、劇団の年間の上演作品とのバランスで、これはいけそうだと思えるものに絞る。
そしたら、プロデューサーを説得するために、その作品がどれほどメリットがあるかを、経済的・芸術的にアピールする文章をひたすら構築するわけです。
そして採用された作品が
イギリスのサスペンス『スィートパニック』
イギリスの心理劇『フィリップの理由』
オーストラリアの喜劇『花嫁付添い人の秘密』
アイルランドの感動家族物『ドリー・ウェストのキッチン』
一方、劇場が決まっていない場合、元々、劇的な非日常空間の好きな私は劇場ではない場所を探しだす。
洋館借りきってみたいな。
(と言って17世紀イタリア喜劇『友達と恋人と』)
プチホテルのボールルームがありますよ。
(と言われて18世紀イギリス喜劇『目的のために手段を選ばず』)
能楽堂もいいな。
(と言って中世喜劇『ミンナ』)
冬ならライトアップの美しい教会堂がいいな。
(と言って青山の教会で音楽劇『幸福な王子』『身も心も捧げた友』)
とうしてもイスラムのモスクがいいの。
(と押し通されて音楽劇『つづきゆくものがたり』)
夏なら野外がいいな。
とこれはまだ実現していないけれど。
最終的には、言い出しっぺと、大蔵大臣との意見が合致して、すべてがGOになるのです。
そして漸く、現実問題としての、俳優とスタッフの確保が始まり、実際の作品づくりへと動きだす。
翻訳劇の場合は、私は翻訳も担当しますから、さらに仕事が増えます。
-----2007年2月22日23:30記述。加筆訂正あり。
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